QIDI i-Mate Sを買った

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ダイレクトエクストルーダーさえあれば

3DWOX1の記事で、「TPUを試したらえらい目にあった」話を書いた。
でも、TPUフィラメントは余っている。
「特殊フィラメント用に安い3Dプリンタ買う方が圧倒的にいいですよ」ということで、押し出し式(英語では"Bowden")エクストルーダーでなく、ダイレクトエクストルーダーな2台目を探し始めた。

最初に検討したのは、Creality3D Ender 3 V2AnyCubic Mega S
どちらも3万円弱で買えて「鉄板」の地位を獲得した3Dプリンタだが、純正品は押し出し式。
しかし、とにかくユーザが多いのでダイレクトエクストルーダーに改造するパーツやノウハウは豊富だ。

とはいえ、ダイレクトエクストルーダーがだいたい$100で、そういったパーツを手配し、改造して、スライサーの設定も自分でやって、となると、いささか億劫だ。
純正でダイレクトエクストルーダーな3Dプリンタは無いものか、と探しているうちにQIDI Technologiesの製品を見つけた。
あれ、i-Mateってやつ、AliExpressで$300ぐらいだ。良さげだな。

でも、公式Webページに載ってないし、もっと調べるとi-Mateにそっくりなi-Mate Sってのもあるぞ…

この時点ではまだ買う気はなかったものの、i-Mateとi-Mate Sの仕様を見比べても違いがわからなかったので、サポートにメールをしてみた。
ご存知の通り、AliExpressはパチモノが横行してる上に、問い合わせにも無粋に返される方が普通だ。
全く期待せずにいたら、4時間で丁寧な返信が返ってきた。
無印とSの違いは箱になっているか否か、0.2mmエクストルーダーが付いているか否か、ということらしい。

また、自社Webサイトはリニューアルの真っ只中でi-Mateシリーズを掲載できてないが、サポートはメールできちんと行うし、アフターパーツも全てAliExpressに出品しているとのこと。
「i-Mate Sを日本に発送してもらったらどれぐらいかかる?」「もう日本倉庫にあるから、すぐだよ、送料もいらないよ」「え、じゃ買う」
$539をPaypalで支払った8時間後、埼玉から佐川急便が届けてくれた。
やりとりしてくれた、QIDI SalesチームのFionaに感謝。

開梱

セットアップ


結論から言えば、箱を開けて、15分後にはテストプリントし始めることができた。
発泡スチロールと運送用の治具を取り外し、テスト用に同梱されてた真っ赤なフィラメントを仕掛けて、プラットフォームの水平調整。
ダイレクトエクストルーダーなのでまさにフィラメントをぶっ刺す感じ。
水平調整はコピー用紙を使ったマニュアル方式で、ネジは3箇所。かなり良い加減にやったにもかかわらずテストプリントの結果は良好。
各種工具はもちろん、定着が悪い時のためのスティック糊や定着し過ぎた時のためのヘラまで付属されていて至れり尽くせり感がすごい。
付属のUSBにはサンプルのgcodeと、pdfのマニュアル、そしてフィラメントのロード/アンロードの説明動画など。
テストプリントしてる間に本体をいじっていたら、WiFiの設定も見つけて、あっさりgcodeを送れるようにもなった。

ソフトウェア

QIDI-Print
後から知ったけど、純正のスライサー"QIDI-Print"はUltimaker Curaをforkしたものらしい。
起動時にちゃんと自動ソフトウェアアップデートされたけど、現行のCura 4.8よりは少し古いのかな、という見た目だったので、
これも少し調べたら純正CuraのマーケットプレイスにWiFiもサポートしたQidiPrintを発見。
最高かよ。ハマりそうなところで、全然ハマらない。

仕上がり


PLAでのテストプリントが上々だったので、いよいよ本題、余ってたSainSmartのTPUフィラメントで3D Benchyを出力。
QIDI-PrintにプリセットされてたTPUの設定をそのままで、これですよ。
少し糸引きしてるけど、ちょっと炙れば消せるレベル。
念願の、プニプニを出力。感無量。

所感

$539払って、10時間後にはテストプリント成功、12時間後にはTPUの出力にも成功。これってすごいことよ。
はっきり言って、3DWOX1、要らなくなっちゃったかも。
ダイレクトエクストルーダーだと、フィラメントが変なチューブを通ったりせずに見たまま送出されるから、すごく楽だし安心。
リールに巻いてある必要すらないから、切れっ端を再利用することもできるし、メンテナンスも一箇所だけ。
i-Mate Sの欠点を強いて挙げるなら、フィラメント切れセンサーがないことと、水平調整が手動。
でも、どっちもほとんど困らないよね。
動作音は3DWOX1と大差ないし、機構もZ軸方向にしっかりした2本のシャフトが使われてて、全然抜かりない。
2台目の予備機のつもりで買ったけど、これは初心者の1台目にもおすすめできる。

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Comments

  1. bianca より:

    はじめまして!
    ダヴィンチを検索していてこちらに
    辿り着きました。

    安価だけどかなり綺麗ですね!
    あと速さが気になっていますが
    他のものと比べていかがでしょうか?
    よろしければおしえてください!

    • コメントありがとうございます。
      Qidi-Print(= Cura)でGcodeを作る際に「静音重視」「速度重視」のプリセットがあるのは知りながら、
      ほとんど通常設定しか使わないですが、
      それで見ている限り、同価格帯と同等です。
      (そもそも30万円帯の3Dプリンタでも速度ってほとんど変わらないので、FDMってこんなもんだと思いますが)

      電源入れてから使い始めるまでの時間、パネルを操作した時の応答なども不満ないです。

      Da Vinciも良いプリンタだと思いますが、他社製フィラメントを使いにくいので、Qidiの方がおすすめですね。