Snapmaker A250Tを買ってた


「買ってみた」でも「買った」でもなく、「買ってた」、そう、1年半前にね。

弊blogには3Dプリンタ関連でのアクセスが一番多いようなので(まぁ、なぜか3Dプリンタの記事が一番多くなっちゃってるし)、ちゃんと書いておこう。
ちなみに、今まで記事にした3Dプリンタたちは今、1台も手元になく、現時点で所有しているのはSnapmaker A250Tのみ。
と、後日記事にするつもりのもう1台。
なんなら、その1台のためにこの記事を書くようなものだ。

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Snapmaker A150


実は、このA250Tの前に、A150を買っていたことも記事にし忘れている。写真も撮り忘れている。
時系列で言うと、QIDI i-Mate Sを買った後に実家の父にSindoh 3DWOX1を譲って、空いたスペースに20WレーザーカッタBeamoを置き、
「3Dプリンタ、レーザーカッターと来たら次はCNCだな」と、よくわからない野心を抱いたころにA150を知る。
(あ、Beamoも記事にしてないや。)
ともあれ、Snapmakerは知る人ぞ知る3Dプリント、レーザー彫刻、CNCをこなす3-in-1機。
なんで3Dプリンタとレーザーカッターをそれぞれ持ってた人間がこれを買ったのか、2年前の自分に問い詰めたい。CNCだけ買い足せよ。
そもそも3-in-1なんて期待しちゃいけないわけですよ。
良くてどの機能も60点台、ただ、3Dプリンタとレーザーカッターを持ってる人間からすれば、それでも良いか、と言う思考だったと思われる。

そして、A150を実際に触ってみて、これが良い意味で期待を裏切ってきたのです。
写真の通り、Z軸方向、片持ち構造なので、どう見たって精度なんて期待できない。
しかも、Snapmakerは完成品販売でなく組み立て式。
絶対に精度だせるわけがない。
にも関わらず、出力品を比較したらi-Mate Sや3DWOX1と遜色なかった。
そして、ダイレクトエクストルーダーで軟性フィラメントも扱えた(買ってから気づいた)。
組み立て式だったので、故障してもパーツごと取り寄せ可能、日本の代理店もサポート優秀、というか危惧してた割に1年使ってどこも壊れなかった。
これは組み立てた人にしか伝わらないと思うけど、あちこちからひしひしと感じる、設計の妙。
「なんだ、もうこれ1台で良いじゃん」となった。

良い話ばかりだと気持ち悪いしA150について書くことがなくなるので欠点も挙げておく。
まず、「1台で良いじゃん」はさすがに言い過ぎで、レーザーカッターとしては1.6Wしかなかったので、せいぜい段ボールのカット程度、木材を相手に焦がして模様をつける程度。
CNCについては、他の製品を知らないので特にパワーや精度についてはなんも言えないけど、単純に150x150mmの作業領域が狭すぎる。
そして、3機能を使い分けるためにヘッドモジュールとベッドを交換しなければならないのが地味に面倒。手慣れても10分はかかる。
PC側も3機能を1つの公式ソフトウェアでサポートするせいで、スライサとして単品比較するとCuraなどに劣る部分もあったり。
(ただ、CuraにSnapmakerのプロファイルとプラグインがあるので、3DプリンタとしてはCuraから使ってた。)

Snapmaker A250T


やっと掲題のA250Tについて語れる。

「A150、もうちょっと作業領域が広かったら…3-in-1は期待できないなんて言わず、250x230mmのA250か350x320mmのA350を買えばよかった」と思ってたら、A250T/A350Tが発表された。
A250T/A350Tは、A250/A350のアップグレード版で、細かくあちこち改良されつつ、特に電源ユニットの静穏化が図られた。
(ちなみに、A150の電源ユニットがうるさい、と思ったことはなく、A250Tの電源ユニットが静か、と思ったこともない。)
ともあれ、買い替える口実が出来たので、A250Tを、しかも今回は最初から期待しまくりでエンクロージャなどもフルセットで購入した。
A350Tも考えたけど、エンクロージャが626x820x603mmと大きすぎるので諦めた。

Meet Snapmaker 2.0 A350T & A250T

まず、A250TとA350Tは片持ち構造から門型の構造になるので、Z軸方向の精度が向上する、と期待した。
実際は、A150と大して変わらなかった。やっぱりA150の精度がそもそも悪くなかった、とも言える。
それでも作業領域が広がったことは単純にプラスだった。
部材を固定する治具を取り付けたりすると、250x230mmでやっとレーザーカッターやCNCが使えるようになった、という感じ。
全体に大きくなったことでモジュール交換がしやすくなったことは嬉しい誤算だった。
そして、購入からほどなくして10Wのレーザーモジュールも販売され、薄板やアクリル板ぐらいなら切れるようになった。
ほぼほぼ、A150の欠点が解消された。
モジュール交換が面倒な点について、今、プレオーダー中のArtisanだとそれも工具レスで出来るよう改良されているらしい。
Artisanは、A350Tを超える665x943x705mmサイズしか発表になってないので、今のところ買い換え候補にはならないし、
モジュール交換は工具が必要かどうかでなく、モジュール換装後のキャリブレーションなどの手間が大きいので、3-in-1機である限りは解決不能じゃないかな。

Introducing Snapmaker Artisan 3-in-1 3D Printer

と言うことで、本当に「これ1台で良いじゃん」と、i-Mate SもBeamoも売却し、A250Tだけにして1年半使ってるわけです。
エンクロージャ込みで$1,600ですが、その価値は十分あります。
個人レベルではオーバースペックで、これだけのスペースで3DプリンタもレーザーカッターもCNCもまかなえるなんて、最高です!

そう思っていました、3日前までは。

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