3Dプリンタの水平調整を工夫してみた

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憧れのオートレベリング機能

QIDIをはじめとするオートレベリング機能がない3Dプリンタは、
たいてい手で紙をスコスコした「挟まり感」を頼りに水平調整するんだけど、
人間の感覚をどこまで信用して良いのかね、と思わずにはいられない。
旋盤とか扱ってるエンジニアなら、「正気か」と言うだろう。
もう少し定量的にやる方法はないものかと工夫してみる。

ダイヤルゲージ

つまるところ、間隔を図りたいので、そういう測定器具を使いましょう作戦。
Amazonで安いダイヤルゲージを手に入れたので、エクストルーダーに取り付けられるよう治具を作る。



結果、失敗。
オープン型の機種ならよかったのかもしれないけど、QIDIは上部も箱になっているため、端部に行った時に衝突してしまう。

仮にぶつからなかったとしても、結局のところベッド調整ネジが3箇所しかないため、
1箇所だけ独立しての上げ下げにならず、面としての均一さを追うには何十往復とさせないといけない。
精密に測れるが故に、ずーっと「合わない!」ってイライラする。

薄く大きくテストプリント

つまるところ、綺麗に印刷できさえすれば良いので、レベルが合ってないと綺麗に印刷できないモデルで試せば良いのでは作戦。
SINDOHでも使えるよう一辺20cm、厚み1.2mmの薄いモデルを用意。
(SINDOHにはオートレベリング機能があるので、QIDI専用にしても良かったか)
測定用なので、印刷時間が15分程度になるように調整してG-code化し、いつでも印刷できるよう内蔵メモリに保存。


これは上手くいった。
なんせ、印刷結果を見るだけで良いし、なんのテクニックもいらない。
多少フィラメントが無駄になってる気がしないでもないが、
レベルが合ってないまま制作を進めるより遥かにマシだ。

所感

…と、ここまで読んでいただいた方には大変申し訳ないけれど、
ダイヤルゲージ方式だろうと薄く大きくテストプリント方式だろうと、
実は紙をスコスコするのに比べて顕著に精度が良くなるわけではないことがわかった。
というか、紙をスコスコするって、シックネスゲージを使っているのと一緒なので、
人間の感覚でも0.05mmぐらいの精度は追えるわけだ。
コンシューマ向け3Dプリンタなら追い込んでも積層厚0.1mmぐらいなので、
人間の感覚で問題ない、ってことにここまでやって気づいた。
さらには、ベッドの水平は一度合わせたらほとんどズレないことも分かった。
もちろん、運搬とか大掛かりなメンテとかしたらズレるだろうけど、
少なくともロボット掃除機が1ヶ月毎日ゴツゴツぶつかるぐらいの振動ではズレてない。

取り越し苦労感がハンパない結果だけど、実際に試行錯誤したことによる安心感があるからよしとしよう。

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